当科では以下の充実した専門外来があります。主な診療内容を記載します。

内分泌・糖尿病内科

1)糖尿病

まず糖尿病の病型診断を行い、持続血糖測定(CGM)や人工膵臓を用いて糖尿病の状態を把握し、エビデンスに基づいた適切な治療方針を決定しています。治療中断することなく良好な血糖コントロールを長期にわたって維持し、合併症の予防や進行を抑制するため、他診療科医師、看護師、栄養士、理学療法士などとも連携し、チームとして診療に取り組んでいます。さらに、病棟カンファレンスやCDE(糖尿病療養指導士)向けの講習会を通じ、研修医、レジデント、他職種医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士などのビルドアップも継続的に図っています。
当院の糖尿病診療の特色として、CGMやインスリンポンプ、CGMが連動したインスリンポンプ(SAP)といった先進の糖尿病治療に注力していることが挙げられます。CGMは検査用、個人用に限らず、上市されているものは全て選択可能ですし、インスリンポンプ療法は外来、入院どちらでも導入することが可能で、関東でも有数の導入台数を誇ります。ポンプ療法はポンプを使いこなせていない場合にその効果は限定されてしまうため、メディカルスタッフと協同して患者教育に力を注いでおり、勉強会なども積極的に行なっています。
また当科は群馬県糖尿病協会の窓口でもあり、患者会報を通じて患者様に情報を発信し、県医師会とも協力し県内の糖尿病診療の病診連携、病病連携を図っています。

2)下垂体疾患

先端巨大症、クッシング病、プロラクチン産生腫瘍等の下垂体腫瘍に対しては下垂体MRI検査や種々の下垂体機能検査が行われ、これらの検査結果に基づいて適切な診断をすみやかに行うとともに、適切な薬物治療や脳神経外科と連携した治療を提供しています。また下垂体機能低下症や尿崩症に関しても正確な下垂体機能の評価に基づき、適確な診断のもとに適切な補充療法が開始され、患者さんのQOLの改善に大きく寄与しています。多くの疾患が厚労省の特定疾患に指定されており、当科で新規・継続申請が可能です。

3)甲状腺・副甲状腺疾患

バセドウ病、橋本病や甲状腺腫瘍に対して超音波診断や超音波ガイド下穿刺吸引細胞診、核医学検査を含めた種々の内分泌機能検査を行い、これらの検査結果に基づいて迅速に診断し、適切な薬物治療や内分泌外科と連携した治療を提供しています。甲状腺髄様癌の患者さんにこれまで先進医療としてRET遺伝子検査を提供してまいりましたが、現在は保険診療として提供しています。

4)副腎疾患

近年、増加してきている副腎の腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫等)に対して種々の内分泌機能検査、画像診断やサンプリング検査などに基づいて迅速に適確な診断をしています。また手術が必要と判断された患者さんには外科・泌尿器科との連携により早期に手術をしています。また内分泌腫瘍性疾患においてその成因に遺伝的な背景が予測される患者さんでは、患者さんの同意のもとに遺伝子診断がなされ、遺伝子診療部と連携して遺伝子相談にも応じています。

5)膵内分泌腫瘍疾患

画像診断技術の進歩に伴い、膵臓の内分泌腫瘍性病変の検出率が年々高まっています。インスリノーマやガストリノーマ、グルカゴノーマといった機能性膵内分泌腫瘍以外にもホルモン過剰分泌のない非機能性膵内分泌腫瘍が多く認められ、手術適応を判断する上でも迅速な診断が求められます。当科では、内分泌学的検査、画像検査に加え核医学科との連携による腹部血管造影やサンプリング検査、また消化器内科との連携により超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を行い的確な診断を行います。必要に応じて、遺伝子診療部と連携して遺伝子診断も行い適切な治療法の選択を行います。

トピックス

当科では長年、肥満治療を行ってきました。肥満治療領域では2014年より肥満外科治療が保険適応となり、当院でも肥満外科手術が可能となっております。手術前には6か月間の専門的な内科治療が必須であり、術後も内科治療の継続や介入が必要です。
そのため、肥満治療チームを設立いたしました。肥満治療チームでは、肥満症にお悩みの患者さんに対して、行動療法、食事療法、運動療法、薬物療法を中心に、内分泌糖尿病内科医師、消化管外科医師、麻酔科医師、看護部、管理栄養士、精神科、リハビリテーション科が連携をしながらチーム医療を行なっています。
詳細は群馬大学医学部附属病院の当該ページをご覧ください
(https://hospital.med.gunma-u.ac.jp/?p=12984)