研究課題名:自己免疫性内分泌疾患病態解明のための免疫チェック ポイント関連蛋白質発現解析

人を対象とする医学系研究についての「情報公開文書」

研究課題名:自己免疫性内分泌疾患病態解明のための免疫チェック
ポイント関連蛋白質発現解析
・はじめに
自己免疫性内分泌疾患の中で、橋本病やバセドウ病は、患者数が最も多い自
己免疫性甲状腺疾患です。また、稀な自己免疫性内分泌疾患としてリンパ球性
下垂体炎が知られています。しかしながら、その詳細な病因はいまだにわかっ
ていません。最近、進行悪性黒色腫や肺がんに対して免疫チェックポイント阻
害薬ニボルマブ(抗PD-1抗体)、イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)が使用され始め
ていますが、その副作用として自分の免疫を活性化することによる自己免疫性
甲状腺機能異常やリンパ球性下垂体炎が起こることがわかりました。このこと
から、自己免疫性内分泌疾患に免疫チェックポイントの異常が関わっている可
能性が疑われています。そこで今回私たちは、自己免疫性内分泌疾患における
免疫チェックポイント関連蛋白質について調べ、統計学的に解析し、自己免疫
性内分泌疾患の原因の解明を目指し、新たな治療薬・診断法の可能性を探りま
す。
こうした研究を行う際には、血液、組織、細胞など人のからだの一部で、研
究に用いられるもの(「試料」といいます)や診断や治療の経過中に記録され
た病名、投薬内容、検査結果など人の健康に関する情報(「情報」といいます
)を用います。ここでは、既に保管されているこうした試料や情報の利用につ
いてご説明します。
・研究に用いる試料や情報の利用目的と利用方法(他機関に提供する場合には
その方法を含みます)について
群馬大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科で甲状腺切除術、あるいは群馬大
学医学部附属病院脳神経外科で下垂体生検、下垂体切除術により切除された標
本を使って、免疫チェックポイント関連蛋白質であるPD-1、CTLA-4、PD-
L1、PD-L2蛋白質の発現を免疫染色で調べます。標本の中の正常組織も免疫染
色し、病気の部分と比較します。この結果と患者さんの背景を比較し、自己免
疫性内分泌疾患において、これらの免疫チェックポイント関連蛋白質がどう関
わっているのか考察します。
・研究の対象となられる方
群馬大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科あるいは脳神経外科において2006
年9月1日から2018年3月31日までに、橋本病、甲状腺癌、バセドウ病、リンパ
球性下垂体炎、下垂体腫瘍の診断で甲状腺切除術、下垂体切除術、または下垂
体生検を受けられた方の切除標本のうち、甲状腺30名、下垂体10名を対象に致
します。
対象となることを希望されない方は、相談窓口(連絡先)へご連絡ください
。希望されなかった方の試料または情報は、研究には使用しません。
ただし、対象となることを希望されないご連絡が2018年12月以降になった場
合には、研究に使用される可能性があることをご了承ください。
・研究期間
研究を行う期間は医学部長承認日より2021年3月31日までです。
・研究に用いる試料・情報の項目
群馬大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科で甲状腺切除術、あるいは群馬大

群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会_情報公開・通知文書

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学医学部附属病院脳神経外科で下垂体生検、下垂体切除術により切除された標
本を使って、免疫チェックポイント関連蛋白質であるPD-1、CTLA-4、PD-
L1、PD-L2蛋白質の発現を免疫染色で調べます。標本の中の正常組織も免疫染
色し、病気の部分と比較します。この結果とカルテの身体所見、血液検査結果
、超音波検査、MRIやCTなどの画像検査の結果を比較し、自己免疫性内分泌疾
患において、これらの免疫チェックポイント関連蛋白質がどう関わっているの
か考察します。
・予想される不利益(負担・リスク)及び利益
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じること、
また謝礼はありません。また、本研究により被験者となった患者さんが直接受
けることのできる利益及び不利益(リスク)はありませんが、将来研究成果は自
己免疫性内分泌疾患の原因の解明及び新しい治療法や診断法の発見の一助にな
り、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性があると考えています。
・個人情報の管理について
個人情報漏洩を防ぐため、群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学に
おいては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイル
の暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができな
いようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患
者さんを特定できる情報は一切含まれません。
・試料・情報の保管及び廃棄
この研究により得られた組織検体は、病院病理部・病理診断科(管理責任者:
小山徹也)で保管され、検査を終えた検体は、研究終了後は10年間保存し、保
存期間が終了した後に個人を識別できる情報を取り除いた上で廃棄いたします
。また、研究のために集めた情報は、当院の研究責任者が責任をもって内分泌
代謝内科学で保管し、研究終了後は10年間保存し、保存期間が終了した後に個
人を識別できる情報を取り除いた上で廃棄いたします。また、保管期間中に本
研究で得られた資料等を二次的に使用する可能性が生じた場合は、改めてホー
ムページ上に文章で開示します。
・研究成果の帰属について
この研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可能性があ
りますが、その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属する
ことになり、あなたにこの権利が生じることはありません。
・研究資金について
この研究は、研究責任者の奨学寄付金によってまかなわれます。
・利益相反に関する事項について
研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場
合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨
床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか
公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これ
を利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反して
いる状態)と呼びます。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マ
ネジメント委員会の承認を得ております。また、この研究過程を定期的に群馬
大学利益相反マネジメント委員会へ報告などを行うことにより、この研究の利
害関係について公正性を保ちます。
・「群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会」について

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この研究を実施することの妥当性や方法については、多くの専門家によって
十分検討されています。群馬大学では人を対象とする医学系研究倫理審査委員
会を設置しており、この委員会において科学的、倫理的に問題ないかどうかに
ついて審査し、承認を受けています。
(ホームページアドレス:https://www.rinri.amed.go.jp/ )
・研究組織について
この研究は、群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学講座、群馬大学
医学部附属病院内分泌糖尿病内科が主体となって行っています。
この研究を担当する研究責任者、研究分担者は以下のとおりです。
研究責任者
職名: 群馬大学大学院 医学系研究科 内分泌代謝内科学 教授
氏名: 山田 正信
連絡先: 027-220-8121
研究分担者
職名: 群馬大学大学院 医学系研究科 病理診断学 教授
氏名: 小山 徹也
連絡先: 027-220-8712
職名: 群馬大学大学院 医学系研究科 内分泌代謝内科学
非常勤講師
氏名: 佐藤 哲郎
連絡先: 027-220-8122
職名:群馬大学 医学部附属病院 内分泌糖尿病内科 助教
氏名: 堀口 和彦
連絡先: 027-220-8122

職名:群馬大学 医学部附属病院 乳腺内分泌外科 准教授

氏名: 藤井 孝明
連絡先: 027-220-8224

職名:群馬大学 医学部附属病院 脳神経外科 講師

氏名: 登坂 雅彦
連絡先: 027-220-8523
職名:群馬大学 医学部附属病院 患者支援センター 助教
氏名: 中島 康代
連絡先: 027-220-8122
職名: 群馬大学大学院 医学系研究科 病理診断学
臨床検査技師
氏名: 半田 正
連絡先: 027-220-7982
職名: 群馬大学大学院 医学系研究科 病理診断学 大学院生

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氏名: 下田 雄輝
連絡先: 027-220-7982
職名:群馬大学大学院 医学系研究科 内分泌代謝内科学
大学院生
氏名: 錦戸 彩加
連絡先: 027-220-8122

・研究対象者の権利に関して情報が欲しい場合あるいは健康被害が生じたとき
に連絡をとるべき相談窓口について
研究対象者がこの研究および研究対象者の権利に関してさらに情報が欲しい
場合、または研究対象者に健康被害が発生した場合に、研究対象者が連絡をと
る担当者は下記のとおりです。何かお聞きになりたいことがありましたら、ど
うぞ遠慮なくいつでもご連絡ください。
試料・情報を研究に用いることについて、対象者となることを希望されない
方は、下記連絡先までご連絡下さい。研究対象者とならない場合でも不利益が
生じることはありません。
【問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)】
職名:群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学教授(責任者
)
氏名:山田 正信
連絡先:〒371―8511
群馬県前橋市昭和町3-39-15
Tel:027-220-8122
担当:堀口 和彦

上記の窓口では、次の事柄について受け付けています。
(1)研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧(又は入手)ならびに
その方法 ※他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護等に支
障がない範囲内に限られます。
(2)研究対象者の個人情報についての開示およびその手続(手数料の額も含
まれます。)
(3)研究対象者の個人情報の開示、訂正等、利用停止等について、請求に応
じられない場合にはその理由の説明
(4)研究対象者から提供された試料・情報の利用に関する通知
①試料・情報の利用目的および利用方法(他の機関へ提供される場合は
その方法を含む。)
②利用し、または提供する試料・情報の項目
③利用する者の範囲
④試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
⑤研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別され
る試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること、お
よびその求めを受け付ける方法