当科では以下のような興味深いテーマでの研究を行っています。主な研究テーマを記載します。

臨床研究

2021
2型糖尿病患者の随時Cペプチドインデックスとインスリン導入の関係
インスリンポンプ メンテナンスの重要性に関する継続研究

2020
SARS-CoV-2感染症(COVID-19)の臨床経過に影響を与える因子の解析
電子カルテ情報活用型多施設症例データベースを利用した糖尿病に関する臨床情報収集に関する研究

2019
1型糖尿病患者の自己免疫性甲状腺疾患ならびにHLAとの関連性

2019
カテコールアミン、甲状腺ホルモンによるエネルギー代謝及び糖脂質代謝関連因子への影響
下垂体疾患における内分泌学的検査の正確な診断方法の開発
診療情報を利用したAI甲状腺専門医の開発

2018
SF-1(steroidogenic factor-1)のKCNJ5遺伝子制御機序の解明
肝細胞癌患者へのレンバチニブ治療例における甲状腺関連副作用(有害事象)の検討:後ろ向き研究
ACTH単独欠損症の治療および予後に関する研究

2017
群馬県における糖尿病発症予防・重症化予防対策にむけた国保(KDB)データベースの解析

2017
免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象に関する後ろ向き観察研究
自己免疫性内分泌疾患病態解明のための免疫チェックポイント関連蛋白質発現解析

詳細は群馬大学医学部附属病院臨床試験部のホームページをご覧ください。


基礎研究

1) チロシンキナーゼFynによるオートファジー制御機構と筋サルコペニア・糖尿病性腎症の解析
- Fynノックアウトマウスを主軸に、糖尿病で近年話題になっているサルコペニア・フレイルや、糖尿病性腎症にオートファジーがどのように関わっているかを解析しています。整形外科や腎臓内科のご協力を得て、サルコペニアのマウスモデルを作成したり、腎ネフロンの蛍光免疫染色を行ったりしています。
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2) 下垂体腫瘍発生メカニズムと遺伝子多型の解析・下垂体機能不全における異常TSHの解析手法の確立
- 脳神経外科や虎の門病院のご協力の下、下垂体手術検体を多数集積し、全エクソーム解析を用いて、下垂体腫瘍発生のメカニズムに迫る研究を行っています。また、中枢性甲状腺機能低下に関連する、糖鎖異常などの異常TSHの測定法の確立を目指しています。
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3) 原発性アルドステロン症発症機構の解析・アルドステロンホルモンが腎障害や脂質代謝に及ぼす影響の解析
- 近年KCNJ5というカリウムチャネル遺伝子異常が原発性アルドステロン症(PA)に関与していることが報告されましたが、当科は日本人のPAにおいて、KCNJ5の遺伝子変異が非常に多いことをいち早くつきとめました。アルドステロンホルモンの、腎集合管における電解質調整作用にとどまらない、多彩な作用についても解析しています。
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4) TRHの多彩な下垂体外作用の解析
- TRHは下垂体にてTSH分泌を促すホルモンとして知られていますが、実は視床下部以外にも多数の臓器に発現しています。当科で樹立したTRHノックアウトマウスや、Cre-LoxPシステムによる下垂体特異的TRHノックアウトマウスを主軸に、膵β細胞におけるTRHの果たす機能や、目の発生にTRHがはたす役割など、多彩なTRHの生理作用を解析しています。
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5) 甲状腺ホルモン不応症と甲状腺ホルモン受容体の解析
- 甲状腺ホルモン不応症は、主に二つある甲状腺ホルモン受容体(TR)のうちTRβの変異で起こりますが、組織ごとにTRαとβの発現量が異なるため、甲状腺中毒症の出現は全身で均一ではありません。TRβ変異ノックインマウスを主軸に、デジタルPCRなどの手法を用いて、これら甲状腺ホルモン不応症の病態解明や、TRの機能解析を行っています。
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6) PPARによる脂肪細胞・肝における転写調節と肥満との関連の解析
- PPARは脂肪細胞や肝で脂質代謝に関わっている核内受容体で、当研究室ではPPARγに共役する転写調節因子HELZ2をノックアウトしたマウスが、肥満抵抗性を示すことを突き止めました。このモデルマウスを主軸に、脂肪細胞・肝における脂質代謝・抗肥満作用のメカニズムをRNA-seq等で解析することで、肥満治療の一助となることを目指しています。
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7) 糖尿病におけるβ細胞脱分化のメカニズム解析
- 2型糖尿病では、β細胞機能不全と呼ばれる現象が血糖悪化につながることが知られていますが、近年その一因として、β細胞が分化の段階を逆行する脱分化現象があることが提唱されました。当研究室では、肥満モデルマウスでは食事療法がβ細胞脱分化を防ぐことを突き止め、そのメカニズムの解析を、蛍光免疫染色や、single cell sequenceなどで明らかにしようとしています。
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大学院や留学状況

現在当科では2名の博士課程大学院生が在籍しており、3名が米国へ留学しています。