研究課題名:ACTH単独欠損症の治療および予後に関する研究

人を対象とする医学系研究についての「情報公開文書」

研究課題名:ACTH単独欠損症の治療および予後に関する研究

・はじめに
ACTH単独欠損症は下垂体前葉から分泌されるACTH(adrenocorticotropic
hormone;副腎皮質刺激ホルモン)が欠損することにより引き起こされ、低血
糖、体重減少、低Na血症などの症状を来たします。治療は点滴または経口で副
腎皮質ホルモンを投与します。他県での報告では人口100万人当たりの年間発
症率0.9人とされ、まれな疾患です。
今回私たちはACTH単独欠損症と診断され、治療を受けた患者さんの治療経
過を調べ、統計学的に解析し、経過をまとめるとともに、新たな診断・治療法
の可能性を探ることを企図いたしました。
こうした研究を行う際には、血液、組織、細胞など人のからだの一部で、研
究に用いられるもの(「試料」といいます)や診断や治療の経過中に記録され
た病名、投薬内容、検査結果など人の健康に関する情報(「情報」といいます
)を用います。ここでは、既に保管されているこうした試料や情報の利用につ
いてご説明します。
・研究に用いる試料や情報の利用目的と利用方法(他機関に提供する場合には
その方法を含みます)について
群馬大学医学部附属病院の内分泌糖尿病内科で2008年1月1日から2017年12月
31日までにACTH単独欠損症の診断で治療を受けた患者さんを対象とします。
治療前後での臨床所見(自覚症状、身長、体重、腹囲、身体所見)、検査デー
タ(血液検査、ホルモン負荷試験結果)、画像データ(X線、CT、MRI、シン
チグラフィ、PET/CTの結果)などをカルテから抽出し、利用します。その結
果を統計ソフトで解析し、治療効果や効果判定方法などについて検討します。
・研究の対象となられる方
群馬大学医学部附属病院内分泌糖尿病内科においてACTH単独欠損症と診断
され、治療を受けた方、25名を対象にいたします。
対象となることを希望されない方は、相談窓口(連絡先)へご連絡ください
。希望されなかった方の試料または情報は、研究には使用しません。
ただし、対象となることを希望されないご連絡が2018年8月以降になった場
合には、研究に使用される可能性があることをご了承ください。
・研究期間
研究を行う期間は医学部長承認日より2022年3月31日までです。
・研究に用いる試料・情報の項目
群馬大学医学部附属病院の内分泌糖尿病内科でACTH単独欠損症と診断され
た患者さんの、治療前後での臨床所見(自覚症状、身長、体重、腹囲、身体所
見)、検査データ(血液検査、ホルモン負荷試験結果)、画像データ(X線
、CT、MRI、シンチグラフィ、PET/CTの結果)をカルテから抽出し、統計ソ
フトで解析します。

群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会_情報公開・通知文書

・予想される不利益(負担・リスク)及び利益
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることは
ありません。また、本研究により被験者となった患者さんが直接受けることの
できる利益はありませんが、将来研究成果はACTH単独欠損症の解明及び新し
い治療法や診断法の発見の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献で
きる可能性があると考えています。
直接的な研究目的の侵襲性を伴う行為は一切行いませんので、本研究に起因
する健康被害が発生することはありません。そのため健康被害への補償はあり
ません。
また、当研究による謝礼はありません。
本研究により被験者となった患者さんが受ける可能性のある不利益(リスク)
としましては、情報漏洩による個人情報の流出が考えられます。個人情報の管
理に関しては個人情報管理者を設置しリスクの軽減を図ります。個人情報を含
まない匿名化された情報はCD-ROMにて保存し、CD-ROMは鍵のかかる棚に保存し
ます。分析に使用するパソコンは、分析を行うときはインターネットに接続し
ません。
・個人情報の管理について
個人情報の漏洩を防ぐため、群馬大学医学部附属病院内分泌糖尿病内科にお
いては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの
暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができない
ようにしています。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患
者さんを特定できる情報は含まれません。
・試料・情報の保管及び廃棄
この研究により得られた情報は、匿名化します。匿名化対応表は、当科の個
人情報管理責任者が責任をもって内分泌代謝内科学の鍵のついた棚で保管し、
研究終了後は永年保存し、廃棄する場合には個人情報の完全に含まない状態で
廃棄(シュレッダー)いたします。研究で得られた情報は研究責任者が責任を
もって管理いたします。
・研究成果の帰属について
得られた結果については研究責任者の協議のもと論文あるいは学会で発表い
たします。この研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可
能性がありますが、その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に
帰属することになり、あなたにこの権利が生じることはありません。
・ 研究資金について
この研究は、文部科学省から支給される研究費(科研費)によってまかなわ
れます。
・利益相反に関する事項について
研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場
合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨
床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか
公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これ
を利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反して
いる状態)と呼びます。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マ
ネジメント委員会の承認を得ております。また、この研究過程を定期的に群馬
大学利益相反マネジメント委員会へ報告などを行うことにより、この研究の利
害関係について公正性を保ちます。

群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会_情報公開・通知文書

・「群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会」について
この研究を実施することの妥当性や方法については、多くの専門家によって十
分検討されています。群馬大学では人を対象とする医学系研究倫理審査委員会
を設置しており、この委員会において科学的、倫理的に問題ないかどうかにつ
いて審査し、承認を受けています。
(ホームページアドレス:https://www.rinri.amed.go.jp/ )
・研究組織について
この研究を担当する研究責任者、研究分担者は以下のとおりです。
研究責任者
所属・職名:群馬大学大学院医学系研究科 内分泌代謝内科学助教
氏名:小澤 厚志
連絡先:027-220-8122
研究分担者
所属・職名:群馬大学医学部附属病院 患者支援センター助教
氏名:中島 康代
連絡先:027-220-8122
研究分担者
所属・職名:群馬大学大学院医学系研究科 内分泌代謝内科学 大学
院生
氏名:錦戸 彩加
連絡先:027-220-8122
研究分担者
所属・職名:群馬大学大学院医学系研究科 内分泌代謝内科学 大学
院生
氏名:近藤 友里
連絡先:027-220-8122
・研究対象者の権利に関して情報が欲しい場合あるいは健康被害が生じたとき
に連絡をとるべき相談窓口について
研究対象者がこの研究および研究対象者の権利に関してさらに情報が欲しい
場合、または研究対象者に健康被害が発生した場合に、研究対象者が連絡をと
る担当者は下記のとおりです。何かお聞きになりたいことがありましたら、ど
うぞ遠慮なくいつでもご連絡ください。
試料・情報を研究に用いることについて、対象者となることを希望されない
方は、下記連絡先までご連絡下さい。研究対象者とならない場合でも不利益が
生じることはありません。
【問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)】
所属・職名:群馬大学大学院医学系研究科 内分泌代謝内科学 助教
(責任者)
氏名:小澤 厚志
連絡先:〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-15
Tel:027-220-8122

群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会_情報公開・通知文書

上記の窓口では、次の事柄について受け付けています。
(1)研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧(又は入手)ならびに
その方法 ※他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護等に支
障がない範囲内に限られます。
(2)研究対象者の個人情報についての開示およびその手続(手数料の額も含
まれます。)
(3)研究対象者の個人情報の開示、訂正等、利用停止等について、請求に応
じられない場合にはその理由の説明
(4)研究対象者から提供された試料・情報の利用に関する通知
①試料・情報の利用目的および利用方法(他の機関へ提供される場合は
その方法を含む。)
②利用し、または提供する試料・情報の項目
③利用する者の範囲
④試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
⑤研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別され
る試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること、お
よびその求めを受け付ける方法