群馬大学大学院 内分泌代謝内科学ホームページへようこそ
群馬大学大学院 内分泌代謝内科学教室は、初代七條小次郎先生、2代目小林節雄先生、3代目森昌朋先生、そして前任の山田正信先生へと70年以上の歴史があった病態制御内科(旧第一内科)の第一研究室が発展し講座となったものです。この間、多数の教室員が切磋琢磨し教室を盛り上げ、当科から多くの教授や国公立病院の院長・副院長を輩出し、医師会など地域医療において活躍している同門生も数多くいます。
当教室では、コモンディジーズであり多くの疾病の基礎となる糖尿病や、見逃されがちな甲状腺疾患、副腎、下垂体疾患など、多種多様な内分泌疾患を診療しています。これらの疾患は、慢性的に進行するため、正確な診断と治療が行われなければ、患者さんの生活の質に大きな影響を与えることとなります。また多くの疾患は長期的な視点からの診療も必要です。そのため、患者さん自身が治療に積極的に関わり、共に治療方針を考えていくこと(Shared decision making)が重要となります。
その中で下記を意識した診療、研究を行なっています。
1. 色々な意見に耳を傾ける。そして本当にその診療で良いのかを自身に常に問いかける。
当教室では、独りよがりにならずに色々な意見を尊重し、常に自分自身に問いかけながら、患者さんにとって最適な医療を提供することを目指します。当分野が扱う疾患は慢性的であり、症状が乏しい場合も多いため、ガイドラインを基本としつつ、その患者さんにとって最適な医療を多職種チームで考える医療を心がけています。
2. 患者さんが抱える問題点を総合的に俯瞰し、治療方針を決定できる。
血糖値やホルモン値だけではなく、社会的な背景も含めて患者さんが抱える問題点を総合的に俯瞰し、治療方針を決定できる医師を育成します。また当分野はさまざまな疾患の元になる疾患を扱うことが多いため、それらに対応できる全身内科学の専門家を育成することも目指します。
3. 自分自身にイナーシャにならないようにする。
近年、糖尿病領域ではクリニカルイナーシャ(臨床的惰性)と呼ばれる現象が問題となっています。この現象は、治療強化が必要な患者さんが、様々な理由で治療が強化されないことを指します。当科では、このような問題に対応できる医師を育成するため、自己啓発やチームワークを重視しています。治療がうまくいかない場合でも、自分自身にイナーシャにならず、成長し続けるような医師の育成をチームでサポートします。
4. CareだけではなくCureを意識した研究を行う。
当分野では、治療法は確立されているが治癒率の低い疾患に対して、Cureに注力した研究を行っています。大学病院として、世界的な研究を推進し、それが患者さんのCareにもつながると考えています。当科で働く医師は、研究を通じて、より良い治療法の開発に貢献することを目指しています。
内分泌糖尿病内科 診療教授 山田英二郎