研究課題名:肝細胞癌患者へのレンバチニブ治療例における甲状腺関連副作用(有害事象)の検討:後ろ向き研究
研究課題名:肝細胞癌患者へのレンバチニブ治療例における甲状腺関連副作用(有害事象)の検討:後ろ向き研究
・はじめに
肝細胞癌の治療において、肝切除及び局所療法が適応とならない場合は分子標的薬が治療の適応となります。これまではソラフェニブ(商品名:メクサバール)のみが標準治療とされていましたが、2018年3月よりレンバチニブ(商品名:レンビマ)が保険適応となりました。
レンバチニブによる有害事象はこれまでの治験の情報により、高血圧や出血、腎障害、肝機能障害などが報告されています。しかし、類似の効能があるお薬では甲状腺機能異常の副作用報告がありますが、レンバチニブはこれまで甲状腺を摘出された甲状腺癌の患者さんを中心に使用されてきたお薬のため、甲状腺に対する影響が十分検討されていません。
本研究では、レンバチニブの使用により、どのような甲状腺に副作用がどのぐらい認められるか、甲状腺の副作用を起こしやすい人はどのような人なのかを明らかにすることを目的とします。
こうした研究を行う際には、診断や治療の経過中に記録された病名、投薬内容、検査結果など人の健康に関する情報(「情報」といいます)を用います。ここでは、既に保管されているこうした情報の利用についてご説明します。
・研究に用いる情報の利用目的と利用方法について
目的
本研究では、肝細胞癌でレンバチニブを内服した患者さんにおける甲状腺関連副作用(有害事象)の出現率とどのような患者様が副作用が起こりやすいかを検討する事を目的とします。
・研究の対象となられる方
2018年3月1日から2018年10月31日までに当院でレンバチニブを投与された20歳以上の患者様を対象とします。対象の患者様の診療録を電子カルテで調査し、レンバチニブ使用の患者様にどのぐらい甲状腺の異常があるか、どうような患者様が甲状腺の異常を起こしやすいかを調査します。対象となることを希望されない対象者さまは2018年12月15日までに、下記までご連絡をお願いします。2018年12月15日までにご連絡がいただけない場合は、ご希望にそえない場合がございますがご了承ください。
連絡先
所属・職名:医学部附属病院 患者支援センター 助教
氏名: 中島 康代
連絡先: 027-220-8120
・研究期間
研究を行う期間は医学部長承認日より2023年3月31日までです。
- 研究に用いる情報の項目
調査項目は、年齢、性別既往歴、肝細胞癌治療歴、合併症、アレルギー歴、投薬歴、PS(ECOG)、身長、体重、血圧、脈拍、体温、神経学的所見、家族歴、自覚症状、他覚症状、画像検査所見(全身CT、MRI,FDG-PET 超音波)、心電図、脈波などの生理学所見、血液尿検査所見(血算、凝固系、生化学、腫瘍マーカー、肝予備能、下垂体副腎機能、甲状腺機能、自己抗体、尿検査、病理学検査)を対象の患者様の電子カルテより確認します。
・予想される不利益(負担・リスク)及び利益
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。また、本研究により被験者となった患者さんが直接受けることのできる利益及び不利益(リスク)はありませんが、研究成果は、レンバチニブによる甲状腺の副作用の実態が明らかとなることで、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性があると考えています。また、対象者さまに謝礼などはございません。
・個人情報の管理について
この研究で得られた調査項目は、患者様の個人情報に関する情報を切り離して、他の病院から集められた調査項目と共に研究されます。
研究に使用する情報は、カルテから患者様の情報の採取後に、個人情報の漏洩を防ぐため、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り(匿名化)、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしています。採取の過程で生じる個人情報に関わる資料は、個人情報管理者により鍵のかかる棚に研究期間内(2018年研究承認後から2023年3月31日まで)保管されます。
本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は含まれません。
・情報の保管及び廃棄
対象の患者さまのデータは個人情報管理者によって個人がすぐに特定できない情報(匿名化)として管理され研究に使用されます。個人情報に関わる資料は、個人情報管理者により鍵のかかる棚に研究期間内(2023年3月31日まで)保管され、その後速やかにシュレッダーやデータ消去ソフトなどで個人が特定できないように破棄されます。
本研究で得られ、群馬大学に提供された匿名化された資料は、群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学でロックのかかるパソコンで研究期間内は保管されます。資料を将来別の研究で用いる可能性がある場合は、改めてその医学研究を倫理委員会で協議し承認を得た後に利用する可能性があります。
群馬大学 管理責任者
群馬大学医学部附属病院 患者支援センター 助教 中島康代
・研究成果の帰属について
この研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可能性がありますが、その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属することになり、あなたにこの権利が生じることはありません。
・研究資金について
この研究を行うために必要な研究費は、内分泌代謝内科学 教授 山田正信 寄付金から提供されています。
・利益相反に関する事項について
研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これを利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反している状態)と呼びます。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マネジメント委員会の承認を得ております。また、この研究過程を定期的に群馬大学利益相反マネジメント委員会へ報告などを行うことにより、この研究の利害関係について公正性を保ちます。
・「群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会」について
この研究を実施することの妥当性や方法については、多くの専門家によって十分検討されています。群馬大学では人を対象とする医学系研究倫理審査委員会を設置しており、この委員会において科学的、倫理的に問題ないかどうかについて審査し、承認を受けています。
(ホームページアドレス:https://www.rinri.amed.go.jp/ )
・研究組織について
この研究は、群馬大学医学部附属病院(責任者 中島康代)を代表として、下記施設と共同研究として実施されます。
この研究を担当する研究責任者、研究分担者は以下のとおりです。
研究責任者
所属・職名:医学部附属病院 患者支援センター 助教
氏名: 中島 康代
連絡先: 027-220-8120
研究分担者
所属・職名:医学系研究科内分泌代謝内科学 教授
氏名: 山田正信
連絡先: 027-220-8120
研究分担者
所属・職名:医学系研究科総合外科学講座 教授
氏名: 調憲
連絡先: 027-220-8224
研究分担者
所属・職名:医学部附属病院 消化器•肝臓内科 診療准教授
氏名: 柿崎暁
連絡先: 027-220-8127
共同研究施設
- 済生会前橋病院 畑中健
〒371-0821群馬県前橋市上新田町564-1 027-222-6011
2.国立病院機構 高崎総合医療センター 長沼篤
〒370-0829群馬県高崎市高松町36 027-322-5901
3.前橋赤十字病院 滝澤大地
〒371-0811群馬県前橋市朝倉町389-1 027-265-3333
4.伊勢崎市民病院靖 嶋田靖
〒372-0817群馬県伊勢崎市連取本町12-1 0270-25-5022
5.桐生厚生総合病院 竝川昌司
〒376-0024群馬県桐生市織姫町6-3 0277-44-7171
6.くすの木病院 小曽根隆
〒375-0024群馬県藤岡市藤岡607-22 0274-24-3111
7.国立病院機構 渋川医療センター 長島多聞
〒377-0280群馬県渋川市白井383 0279-23-1010
・研究対象者の権利に関して情報が欲しい場合あるいは健康被害が生じたときに連絡をとるべき相談窓口について
研究対象者がこの研究および研究対象者の権利に関してさらに情報が欲しい場合、または研究対象者に健康被害が発生した場合に、研究対象者が連絡をとる担当者は下記のとおりです。何かお聞きになりたいことがありましたら、どうぞ遠慮なくいつでもご連絡ください。
情報を研究に用いることについて、対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。研究対象者とならない場合でも不利益が生じることはありません。
【問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)】
所属・職名:医学部附属病院 患者支援センター 助教
氏名: 中島康代
連絡先:群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学
〒371-8511群馬県前橋市昭和町3-39-15
027-220-8120
上記の窓口では、次の事柄について受け付けています。
(1)研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧(又は入手)ならびに
その方法 ※他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護等に支
障がない範囲内に限られます。
(2)研究対象者の個人情報についての開示およびその手続(手数料の額も含
まれます。)
(3)研究対象者の個人情報の開示、訂正等、利用停止等について、請求に応
じられない場合にはその理由の説明
(4)研究対象者から提供された情報の利用に関する通知
①情報の利用目的および利用方法(他の機関へ提供される場合は
その方法を含む。)
②利用し、または提供する情報の項目
③利用する者の範囲
④情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
⑤研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別され
る試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること、お
よびその求めを受け付ける方法