研究課題名:SF-1(steroidogenic factor-1)のKCNJ5遺伝子制御機序の解明

 

研究課題名:SF-1(steroidogenic factor-1)のKCNJ5遺伝子制御機序の解明
・はじめに
 この数年で世界各国の研究により高血圧症の約10%は原発性アルドステロ
ン症という副腎の腫瘍や腫れの病気が原因であることが明らかとなっていま
す。またこれまでの研究で、原発性アルドステロン症は一般の本態性高血圧
と比べて心脳血管障害の極めて強い危険因子であることも判明しています。
私たちはこれまでの研究で、日本人の原発性アルドステロン症の原因として
、副腎に腫瘍のある患者さまの70%はカリウムチャネルKCNJ5遺伝子変異
があることを発見しました。しかし、KCNJ5遺伝子変異による原発性アルド
ステロン症発症機構の多くは未だ解明されていません。
 今回私たちは、副腎の形成などに重要な遺伝子であるSF-1(steroidogenic
fator-1)に着目し、KCNJ5遺伝子変異陽性の原発性アルドステロン症の病態
にSF-1が関与しているかどうか解明することを計画しています。
 こうした研究を行う際には、血液、組織、細胞など人のからだの一部で、研
究に用いられるもの(「試料」といいます)や診断や治療の経過中に記録され
た病名、投薬内容、検査結果など人の健康に関する情報(「情報」といいます
)を用います。ここでは、既に保管されているこうした試料や情報の利用につ
いてご説明します。

・研究に用いる情報の利用目的と利用方法について
 今回の研究では、副腎の形成などに重要な遺伝子であるSF-1(steroidogenic
fator-1)に着目し、KCNJ5遺伝子変異陽性の原発性アルドステロン症の病態
にSF-1が関与しているかどうか解明することを計画しています。本研究では
、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会で承認された課題名
:副腎腫瘍症例におけるKCNJ5遺伝子及びイオンチャネル関連遺伝子
(GNAS,ATP1A1,ATP2B2,CACNA1D)など腫瘍関連遺伝子変異の解析(受付番号
121:承認日2011年8月2日)で研究のご同意をいただいた患者さまの試料と情
報を追加検討として利用させていただきます。
 また正常副腎との比較を行うため、当院で2018年5月~6月に病理解剖を受
けた方の副腎でも研究させていただきます。さらに当院で副腎の摘出術を受
けた方についても同意を得た上で研究に利用させていただきます。
・研究の対象となられる方
 本研究は2011年8月2日〜2016年7月31日までに群馬大学医学部付属病院内
分泌糖尿病内科に受診し手術を施行された原発性アルドステロン症症例50例
を対象としています。
 この患者さまは以前にヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員
会で承認された課題名:副腎腫瘍症例におけるKCNJ5遺伝子及びイオンチャ
ネル関連遺伝子(GNAS,ATP1A1,ATP2B2,CACNA1D)など腫瘍関連遺伝子変異の解
析(受付番号121:承認日2011年8月2日)で研究のご同意をいただいた患者さ
まとなります。本研究はでは、患者さまの臨床データ、遺伝子データ(資料

 

)、当科保管血液検体、腫瘍組織(当科保管凍結組織、病理部保管パラフィ
ン検体)の再解析を行わせていただきます。本研究は以前の上述の研究の追
加研究であり、改めて研究のご説明と対象の患者さまに同意をいただくこと
を目的としています。
 また当院で2018年5月1日~6月30日に病理解剖を受けられた方の副腎組織3
例でも免疫組織染色を行います。さらに、当院で副腎の摘出術を受けた方1
例についても同意を得て免疫染色を行います。
 対象となることを希望されない方は、相談窓口(連絡先)へご連絡ください
。希望されなかった方の情報は、研究には使用しません。
また病理解剖を受けた方の代諾者の方で、対象となることを希望されない方
は相談窓口(連絡先)へご連絡ください。希望されなかった方の情報は、研究
には使用しません。代諾者は死亡した対象者の配偶者、成人の子、父母、成人
の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族の方の中から被験者の生前の意思
を代弁できると考えられる方を代諾者として選定いたします。
ただし、対象となることを希望されないご連絡が2019年4月以降になった場合
には、研究に使用される可能性があることをご了承ください。
・研究期間
研究を行う期間は医学部長承認日より2023年3月31日までです。
・ 研究に用いる試料・情報の項目
 本研究は2011年8月2日〜2016年7月31日までに群馬大学医学部付属病院内分
泌糖尿病内科に受診し手術を施行され、上述の臨床研究(受付番号121:承認日
2011年8月2日)にて研究同意をいただいた原発性アルドステロン症症例50例の
患者さまの、血液、組織などの試料と臨床データ(副腎腫瘍の遺伝子変異情報
(副腎腫瘍におけるKCNJ5変異などのイオンチャネル関連遺伝子変異情報)、
血液検査、尿検査所見、性別、年齢、既往症、合併症、生活習慣(喫煙、飲酒
)歴、薬物服用歴、家族歴など、治療経過など)を研究に使用します。
 また当院で2018年5月~6月に病理解剖を受けられた方3例の副腎組織を研究
に用います。さらに、当院で副腎の摘出術を受けた方のうち、同意を得られた
方1例の副腎組織も研究に用います。
・予想される不利益(負担・リスク)及び利益
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることは
ありません。また、本研究により被験者となった患者さんが直接受けることの
できる利益及び不利益(リスク)はありませんが、将来研究成果は原発性アルド
ステロン症の解明及び新しい治療法や診断法の発見の一助になり、多くの患者
さんの治療と健康に貢献できる可能性があると考えています。また、対象者さ
まに謝礼などはございません。
今回の研究結果で、患者さまの健康や子孫に受け継がれる遺伝的特徴などに
関する重大な知見が得られた場合も、個人の患者さまにお伝えは原則いたしま
せん。
 
・個人情報の管理について
個人情報の漏洩を防ぐため、群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学
においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイ
ルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができ
ないようにしています。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患

者さんを特定できる情報は含まれません。 
・試料・情報の保管及び廃棄
 本研究で使用される試料(血液や組織など)や情報は、上述の臨床研究(受
付番号121:承認日2011年8月2日)で同意をいただき永年保管されています。試
料(血液や組織など)は群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学の保管
庫に保管されています。対象者さまの情報は個人情報管理者によって匿名化さ
れ、その対応表は個人情報管理者により鍵のかかる棚に保管されています。
 本研究で得られた追記情報なども、群馬大学大学院医学系研究科内分泌代謝
内科学でロックのかかるパソコンで将来にわたり保管されます。資料を将来別
の研究で用いる可能性がある場合は、改めてその医学研究を倫理委員会で協議
し承認を得た後に利用する可能性があります。
 また病理解剖を受けた方および手術を受けた方の副腎の標本は病理部で保管
されており、免疫組織染色を行ったプレパラートは匿名化され、内分泌代謝内
科学で永年保管いたします。
管理責任者
群馬大学医学部付属病院 内分泌糖尿病内科 助教 中島康代
                        027-220-8120
・研究成果の帰属について
この研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可能性があ
りますが、その場合の特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属する
ことになり、あなたにこの権利が生じることはありません。
・研究資金について
この研究を行うために必要な研究費は、内分泌代謝内科学 教授 山田正信 
寄付金から提供されています。
・利益相反に関する事項について
研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場
合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨
床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか
公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これ
を利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反して
いる状態)と呼びます。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マ
ネジメント委員会の承認を得ております。また、この研究過程を定期的に群馬
大学利益相反マネジメント委員会へ報告などを行うことにより、この研究の利
害関係について公正性を保ちます。
・「群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会」について
この研究を実施することの妥当性や方法については、多くの専門家によって
十分検討されています。群馬大学では人を対象とする医学系研究倫理審査委員
会を設置しており、この委員会において科学的、倫理的に問題ないかどうかに
ついて審査し、承認を受けています。
(ホームページアドレス: https://www.rinri.amed.go.jp/ )
・研究組織について
この研究を担当する研究責任者、研究分担者は以下のとおりです。
研究責任者
所属・職名:医学部附属病院 内分泌糖尿病内科 助教
氏名:       中島 康代

群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会_情報公開・通知文書

4
連絡先:    027-220-8120
研究分担者
所属・職名:医学部附属病院 内分泌糖尿病内科 医員
氏名:       錦戸 彩加
連絡先:     027-220-8120
研究分担者
       所属・職名:医学部附属病院 病理部 医員
       氏名:       下田 雄輝
       連絡先:     027-220-8120
研究分担者
所属・職名:医学部附属病院 内分泌糖尿病内科 助教
氏名:       石田 恵美
連絡先:     027-220-8120

・研究対象者の権利に関して情報が欲しい場合に連絡をとるべき相談窓口につ
いて
研究対象者がこの研究および研究対象者の権利に関してさらに情報が欲しい
場合、研究対象者が連絡をとる担当者は下記のとおりです。何かお聞きになり
たいことがありましたら、どうぞ遠慮なくいつでもご連絡ください。
試料・情報を研究に用いることについて、対象者となることを希望されない
方は、下記連絡先までご連絡下さい。研究対象者とならない場合でも不利益が
生じることはありません。
【問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)】
所属・職名:医学部附属病院 内分泌糖尿病内科 助教
        
氏名: 中島康代         
連絡先:群馬大学大学院 医学系研究科 内分泌代謝内科学
〒371-8511群馬県前橋市昭和町3-39-15
027-220-8120
             
上記の窓口では、次の事柄について受け付けています。
(1)研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧(又は入手)ならびに
  
   その方法  ※他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護等に支
   障がない範囲内に限られます。
(2)研究対象者の個人情報についての開示およびその手続(手数料の額も含
   まれます。)
(3)研究対象者の個人情報の開示、訂正等、利用停止等について、請求に応
   じられない場合にはその理由の説明
(4)研究対象者から提供された情報の利用に関する通知
   ①試料・情報の利用目的および利用方法(他の機関へ提供される場合は
    その方法を含む。)
   ②利用し、または提供する情報の項目
   ③利用する者の範囲
   ④情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
   ⑤研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別され
    る試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること、お
    よびその求めを受け付ける方法